自転車は相変わらず乗っている。
さっさと飽きるかな、と思ったが、そんなことはまったくなく、楽しくペダルを回しては都内各所に出没している。
新宿、上野、表参道辺りなら気軽な気持ちでハンドルを向けている。
時間や人と会う等の制約さえなければ東京でこんなに快適な乗り物はない。その制約さえコントロール次第でクリアできる事もわかってきた。
うちの近所を散歩していて「おぎ緑地」という川沿いの小さな空き地に出会った。
善福寺川の畔に幅2メートルないくらい、人と自転車がすれ違うのがギリギリ、というくらいの道がある。人にじゃまにならぬよう、ゆっくりと走ったりする事がある道だ。周りはどこも住宅。たまに公園がひょっこり現れたりする。
そんな細い川沿いの路地、4畳半くらいの小さな空き地が突然ぽっかりと空いている。道沿いだがそのそばに近づくまではそんな場所があるとは気がつかないへっこみの場所で、ちょっと驚く。
何もない、のだが、奥の真ん中に古びたポンプが起立している。井戸だ。
飲料には適さず、で、もったいなくもあるから闇雲には使わなかったが、手を濡らして涼んでみたり、ちょっと顔を洗ってみたり、楽しんでみた。
みればみるほど立派な金属製の手押しポンプでそれを眺めながらぼーっと快適な時間を過ごした。
それもこれも、自転車からの目線ありき、かも知れない。
夏が近づいてきたな、と頭の中で考えながら、もう一浴び水を手に浸して、自転車にまたがった。
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