「第1回ONETOPIキュレーター養成講座 」
にてしゃべってきました。
カレーONETOPIのキュレーターを勤めております。
http://1topi.jp/curry_1topi
アーカイヴ、ごらんください。48分あたりから登壇しています。
顔は残念、出ておりません。
↓ キーノートスピーチをごらんください。
http://ustre.am/:1uM09
2012年4月26日木曜日
2012年4月22日日曜日
東京は意外と狭い。自転車を使えばね。:ドッペルギャンガー 555 ブラッククイーンで走るトウキョウ。
春だから。欲しいデザインのものがあったから。意外や安かったから。
色々な理由をこねくってみたが、とにかく自転車が欲しかったので、買った。
乗り物を買うのは昔からクセみたいなもんだ。乗り物は思いつきで買うと楽しい。
一時期、若い頃。
7~8回続けて体力が尽きたが。自動車、オートバイ、自転車、キックボードにスケートに。いや、「スゲーなおい」とか「金持ってたのか」とかの類ではない。例えば中古だったり例えばフリーマーケットだったりもともと安いものだったり。ただ乗り物が好きでたくさん欲しかった。
外皮の一部がプラスティックでできた小さなフロント駆動のスポーツカーとか、屋根なしの背中にエンジンを置いた二座とか。
水冷単の薄べったくて美しいフレームのオートバイとか。低い車高の3輪の原付に折りたたんでクルマに載せる変り種二輪、カブのオフ車とか。念入りにおかしなものばかりを選んでは手に入れた。自転車もずいぶんいろいろな方向性を持つものを買ったなあ。
自転車はほしかった。あまり持ったことがなかった軽くてタイヤの細いものがいいよな、というのが最近の気分だった。
見つけたのがこれ。名前がえらくゴージャスでかっこ良かった。
「ドッペルギャンガー 555 ブラッククイーン」
この名前。響くなあ。そういうケレン味、嫌いじゃない。
小径、ロングホイールベース、異型フレームに前後本数違いのスポーク、ゴールドディープリム、ディスクブレーキとなかなか見所の多い一台。カスタム感が強いのが売り。サスペンションなしのところも気に入った。この派手な自転車がまさか2万円代半ばで買えるとは思わなかったよ。Amazonなんかで探し出せる。標準小売価格は46200円。
箱を開けると実に合理的に小さくばらしてまとめてある。無駄なく要所要所に傷防止のカバーが施されて、そいつを取り去っていくお楽しみと言ったらない。乗り物の組み立てってのはいつだって楽しいもんだ。写真イメージよりもシックなつや消しの黒いフレームと派手なゴールドのリムが見えてきてわくわくは最高潮に。
組み立て、調整とも昔取った杵柄で20分ほどでさっさと完了。精度云々いうやつもいるけど自転車なんてもんはスパナでひっぱたいて作業終えたら自分の全体重でのしかかってバラバラになんなきゃあらかた大丈夫。持っていた携帯型フレンチバルブ用インフレーターがホースタイプではない口金部分のカバーパーツが大きいもので、スポーク/ニップル間の距離が短いこのホイールには使えなかった。
近所の自転車店で仏式→英式変換バルブを買って店頭のコインポンプで空気も注入完了。ここまで含めて届いてから1時間かからずに乗り出しができた。
(通販で自転車買ったことのないやつ、一度も機械、自転車いじったことのないやつは調整、プロに任せるように。そういう技術には敬意を表すべきだし金を払うべき。だって、自分で出来ないんだろ?自分でやって何かあるとメーカーや人のせいにするんだろ?だったらやめときな。D.I.Yって言葉、知ってる?Do ItYourself。自分でやる、責任まで背負うって意味なんだぜ)
(通販で自転車買ったことのないやつ、一度も機械、自転車いじったことのないやつは調整、プロに任せるように。そういう技術には敬意を表すべきだし金を払うべき。だって、自分で出来ないんだろ?自分でやって何かあるとメーカーや人のせいにするんだろ?だったらやめときな。D.I.Yって言葉、知ってる?Do ItYourself。自分でやる、責任まで背負うって意味なんだぜ)
初乗車での印象、これが実に快適な自転車。
踏み出しが軽い。自転車自体の軽さに加えて(11.8kg)細い小径ホイールはクルマでいうところのバネ下重量の軽さとも相まって軽く踏み込むとすっと前に出る。羽根のようだ。ギア比は街乗りに適しておりどちらかといえばまだまだローギヤード。7速からでも平地でなら踏み出せる。フロントに52Tがついているが歯数を増やしてもう少し距離を伸ばせるものにしてみたい。せっかくいい素養を持つ車体だからね。
ブレーキは少々癖があるものの、これも調整次第。ちょいちょいいじくりながら調整をかけていこうと思う。
ドッペルギャンガーというブランドのこの自転車。ほかのラインアップもなかなか魅力的なものが多くて困る。買ったばかりだからね、すぐ次ってわけにはいかぬ。でも、とにかくグラフィックやカラーに大きくこだわりを持った、どちらかというとエクストリームな考え方で自転車を企画するおもしろい企業。うん、そういうの、肩入れしちゃうんだよ。ちょっとラインナップを覗いてみるといいよ。あなたの気持ちに刺さるもの、あるかもしれない。
実際に実用してみてなのだけど、これがね、いける、いける。
打ち合わせや仕事で荻窪界隈から永福町、表参道、渋谷、新宿とひとまわり(30km)これまた打ち合わせに大塚まで(30km)走ったり高田馬場(20km)へ通ったり。往復でそれぞれそれくらいの距離だったら仕事や打ち合わせのパワーを温存しつつ十分に交通機関として役目をはたしてくれる。運動不足ですっかりたるんだからだでも何とかなってしまうのだ。こりゃ楽しくないわけがない。
女子受けも悪くないみたいで。昨今のブームもあってか自転車で打ち合わせに現れるオジサンをおんなのこはちょっといいじゃん、と思ってくれるらしい。覚えておきなよ、これ読んでるあなた。カメラが好きな人もいいと思うよ。普段行かない場所に普段と違う目の高さとスピードでいくのはいろいろな被写体に出会える可能性を広げてくれる。
そして、乗り物好き、街歩き好きのわたしの目線からなのだけど、トウキョウ、それも中心部は自転車が一番便利な街かもしれないってこと。
ご存知の通りわたしはカレーのひとの側面を持っているのだが、とにかくもう、自転車サイコー。カレー店、ドアトゥドアで到着という快感。道すがらで次々とカレー店を見つけてしまう楽しさ。
目線の高さとスピードが変わるとこまでかわるんだ、という新鮮な感覚。
クルマやオートバイじゃこうはいかないんだよ。それに駅からはなれていたりでいきづらかった店がなんだか急に近くに感じられたり。
自分の中のトウキョウの感覚、距離感がかわってしまうのだ。
これはとてもおもしろいこと。
また自分の目で見られるものの種類や角度がふえていきそうな予感がする。
いいね、久しぶりのスポーツバイク。
いいね、久しぶりのスポーツバイク。
(映像はドッペルギャンガー公式の映像です。)
映画 「ロボット」を見た。
お友達からのきっかけから転がって、東映の試写室でインド、タミル映画の大ヒット作
「ロボット」(邦題)
を観ることになった。
これがえらいおもしろかったのだ。
「ロボット」(邦題)
を観ることになった。
これがえらいおもしろかったのだ。
下北沢に般°若と(ぱんにゃ)いうカレーのお店がある。松尾貴史さんが渾身で手がけたカレーのお店。そこで知り合ったふみさんという映像関係の剛の者のねえさんがいる。Twitterで彼女がカレースキスキの女子、カレイコさんを紹介してくれて印度百景に送り込んできた。ふたを開けたら「今度仕事でタミル映画の配給を、、」なんて。おお、こりゃおもしろい!ステージの袖に引っ張ってきてインフォメーションをしてもらった。その映画がわたし程度のインド好きの耳にさえも届いていた、
ラジニカーントの新作「ロボット」
だったのだ。
ラジニカーントの新作「ロボット」
だったのだ。
有楽町、東映の試写室。
オフィスと同じ場所に突然試写室があるのはなんだか面白い。
仕事場の「中」に映画館がある職場、仕事場の下には本物の劇場もある職場。ちょっといいなあ。
仕事場の「中」に映画館がある職場、仕事場の下には本物の劇場もある職場。ちょっといいなあ。
彼女がアテンドしてくれてシアターの席についた。あ、井生さんがいた!印度百景にゲストででていただいた写真家、というか今はもうなかよしのアキラジー、だ(笑)
さてネタバレ関係が難しい映画のレビュー、この「ロボット」という映画。インド映画、という括りで見に行くと期待を裏切られるかもしれない。いい意味で。
テーマは普遍的なロボットものの一大命題。
「人間と意志を持つ機械との共存」
フリッツラング「メトロポリス」の昔から必らず取り上げられる、SF者の私としてはおなじみ、かつ「どんな風に料理してあんのかな」と興味津々のジャンルなのだ。井生さんもいってたけど日本人のDNAのどこかにはには未だ鉄腕アトムへの強い思いがあるのだ。じゃなかったら日本のアニメーションのロボットはあんなにひと形ばかりであんなに2足歩行はしなかったはずなのだ。AIBOだってアシモだって生まれ得なかったはずなのだ。だから日本人が見てなにか感じるテーマなんじゃないか、と思う。
とにかくエンターテイメント系SF映画にきっちり仕上がっているのがすごい。見るとわかるんだよ。メイドインハリウッドではないのに「世界興行収入100億円超」という結果をたたき出しているわけが。ストーリーもオリジナリティがあるしスペクタクルもあるし。女優はとびきりピカピカの世界一の美女!で気分いいし。視覚効果やコスチュームデザインにハリウッドの血をひいてきているし、でいうことがない。明らかにこれまでのヒンディ、タミル映画の流れからは一線を画すものだと思う。
で、それだけだと「ん?ハリウッド?」となるけれど、やっぱりそこはインドの血が流れる映画でナンセンスなギャグシーンや皆さん期待のダンスシーンがあってにやりとさせられる。ハリウッドクラスのSFXとクールセンス、それにインド映画のコミカルな部分やゴージャスなダンスシーンがあるというハイブリッドでアップトゥデートな映画、これは心から楽しめる。そうそう、音楽もね、よかったんだよね。それとダンス、アクション。ラジニカーント、いくつだったっけか?もうからだ動く動く。すごいよね。だてにスッパルスターではないのだよ。
で、それだけだと「ん?ハリウッド?」となるけれど、やっぱりそこはインドの血が流れる映画でナンセンスなギャグシーンや皆さん期待のダンスシーンがあってにやりとさせられる。ハリウッドクラスのSFXとクールセンス、それにインド映画のコミカルな部分やゴージャスなダンスシーンがあるというハイブリッドでアップトゥデートな映画、これは心から楽しめる。そうそう、音楽もね、よかったんだよね。それとダンス、アクション。ラジニカーント、いくつだったっけか?もうからだ動く動く。すごいよね。だてにスッパルスターではないのだよ。
知っている人は知っている、インド映画特有のあの濃さ、あれが薄く感じられるのだけど、だからこそするりと観られてしまうし素直におもしろい作品だなあ、と思えるのかもしれない。
日本版公開にあたり、日本の興行特性に合わせて40分のカットを断行、いいか悪いかはまた別として、これによって日本公開ができたことは素直に喜びたいし、これは想像なのだけど(タミル版を見ていないので)そのカットのおかげでさらり見やすくて、インド映画が未体験の人の入り口になり得る作品として成立したのかもしれない、なんて思っている。
日本版公開にあたり、日本の興行特性に合わせて40分のカットを断行、いいか悪いかはまた別として、これによって日本公開ができたことは素直に喜びたいし、これは想像なのだけど(タミル版を見ていないので)そのカットのおかげでさらり見やすくて、インド映画が未体験の人の入り口になり得る作品として成立したのかもしれない、なんて思っている。
そして自分がそうだからいうんだけど、それゆえ一度見て、おもしろかったら、ファンになったらオリジナル版も見たくなるのが人情ってもんで、それによってタミル版の字幕つきが日本でも上映、なんてなったらこれはもう、盛り上がっちゃう。そういう流れがとてもできてほしい、と思う。
うーん、もう一回劇場で見たい。とにかくおもしろかったんだよ。
しかし、「ワケわからんが面白い」のキャッチコピーは秀逸だなあ(笑)
< 情報 >
映画「ロボット」公式サイト 公開は5月12日より!!
http://robot-movie.com/
この情報は見逃せない!コラボカレーが登場。そのイメージビジュアルに驚け!
http://blog.livedoor.jp/robotmovie/archives/5307801.html
本家、ムンバイのサイトでもバナーが貼ってあります。
http://www.mumbai.co.jp/
うーん、もう一回劇場で見たい。とにかくおもしろかったんだよ。
しかし、「ワケわからんが面白い」のキャッチコピーは秀逸だなあ(笑)
< 情報 >
映画「ロボット」公式サイト 公開は5月12日より!!
http://robot-movie.com/
この情報は見逃せない!コラボカレーが登場。そのイメージビジュアルに驚け!
http://blog.livedoor.jp/robotmovie/archives/5307801.html
本家、ムンバイのサイトでもバナーが貼ってあります。
http://www.mumbai.co.jp/
2012年4月18日水曜日
表参道のあの大事な場所で表参道のヤッコさんとまたお会いした。
頭の中が熱いうちに、頭の中が熱いうちに。ぐるぐる頭がまわってる、ぐにゃぐにゃのときに書いちゃえ、書いちゃえ。
どこかうわの空になってしまいそうな脳みそをだましだまし話を聞いてみると、パーティーへの招待。オープンの前日に招待をいただいた。河出書房新社から文庫版で発売になった書籍、「表参道のヤッコさん」出版記念パーティー+スターバックスコーヒー東急プラザ表参道原宿店プレオープン。店舗内のアートワークのプロデュースをヤッコさんが手がけられたご縁、だそうだ。
日本のスタイリストの祖、高橋靖子さんにたくさんのものをいただいた世代のわたしは「ちょっとなにか、恩返しでもしなければ」という気持ちがいつもどこか頭の端にある。
ピカピカの、誰も入ったことのない真新しいビルにパスをピッと見せて入っていくのは気分がいい。なんでそんな素敵なことになっちゃったかなあ、の想いも同じくらいある。とにもかくにもここ、東急プラザ表参道原宿のスターバックスコーヒー、素敵な店に仕上がっている。広々したテラスがあって、まるでちょっとした公園のようだ。
眼下にはラフォーレ原宿と表参道の交差点が。こんな角度でこの交差点を見ることなんて初めてだ。もうあの頃は遠い昔で、望むべくもなかったはずの光景。
違うのだ。ヤッコさんの動きのほうが速いのだ。誰かが追っかけるよりも先に彼女の方からその追っかけてくる人たちに声をかけ、腕を絡め、顔を近づけ、おしゃべりに興じてる。なんて素敵な人だろうねえ。魅力たっぷりの人柄。誰もがついてっちゃう熱気。きっと10年前も20年前もその前も、かわってないんだろうね、よくわかる。
パーティーの熱気は最高潮に。みんなが興奮して、楽しそうにおしゃべりをしている。
この記事をヤッコさんと山陽堂さん、スターバックスコーヒー東急プラザ表参道原宿店の緑のエプロンの皆さんと今回この催しに関わった皆様に差し上げたく思います。
>
前回の記事:山陽堂書店『表参道のヤッコさん』展。本当に表参道でヤッコさんに会った。
http://hapi3s.blogspot.jp/2012/03/blog-post_27.html
そうやってふらふらと入ってしまったのが、スターバックスコーヒー。原宿、竹下通りそば、明治通沿い。いまさっきまで違うスターバックスにいたっていうのにね。
この店からも見えちゃう距離の、まだ開いていない、表参道上空に明日グランドオープンの、
「スターバックスコーヒー東急プラザ表参道原宿店」
から出て来たばかりなのにね。
この間、打ち合わせで千駄ヶ谷のカレーバー・ヘンドリックスに向かっている途中。
電話が鳴っているのに気づかず、自転車を止めてiPhoneを見たら、知らない電話番号。携帯電話じゃない番号。
だれだろう。
「もしもし、お電話をいただきました、、、」
「もしもし、こんにちは。三陽堂です!」
「あっ!こんにちは。先日はお邪魔しました」
そんな会話から始まったこの電話。表参道にある書店、山陽堂さんからだった。
びっくりするオファーがやってきた。
「ヤッコさんご指名です。またブログを書いてくださいって」
「えっ?」
どこかうわの空になってしまいそうな脳みそをだましだまし話を聞いてみると、パーティーへの招待。オープンの前日に招待をいただいた。河出書房新社から文庫版で発売になった書籍、「表参道のヤッコさん」出版記念パーティー+スターバックスコーヒー東急プラザ表参道原宿店プレオープン。店舗内のアートワークのプロデュースをヤッコさんが手がけられたご縁、だそうだ。
びっくりした!またヤッコさんにびっくりさせられた!
なんだろう、この感じ。
ヤッコさん、高橋靖子さんの熱に巻き込まれて沖へ沖へと連れて行かれちゃう、この感じ。波、というか、潮、流れ、というか、何かそういうもの。
例のあそこ。原宿の、表参道の、一番大事なあの場所にテナントビルができるそう。うん、そう、あそこ。もと「原宿セントラルアパート」があった、あの角に。
正直うんざりしていたんだよ。前の建物もなんだか顔の見えない何かだったなあ、という感があったし、セントラルアパートを知ってしまっている人はみんな多かれ少なかれ、そういう気分、あると思う。
表参道の交番のお隣の本屋さん「三陽堂書店」で少し前に始まった
「表参道のヤッコさん展」(4/20まで)
「表参道のヤッコさん展」(4/20まで)
日本のスタイリストの祖、高橋靖子さんにたくさんのものをいただいた世代のわたしは「ちょっとなにか、恩返しでもしなければ」という気持ちがいつもどこか頭の端にある。
彼女らに、本人そのものに、ではなく。何かこう、おもしろいことを誰かに伝えたり想いのままに何かを表現したり、そういうものを別の誰かに見せることで、還元してみたいな、とか、思ったりするのだ。
いいチャンスをもらってしまった。それも文章だ。ブログで恩返し、そんな形もあるかもしれない。よしっ。
原宿。表参道の交差点。
ピカピカの、誰も入ったことのない真新しいビルにパスをピッと見せて入っていくのは気分がいい。なんでそんな素敵なことになっちゃったかなあ、の想いも同じくらいある。とにもかくにもここ、東急プラザ表参道原宿のスターバックスコーヒー、素敵な店に仕上がっている。広々したテラスがあって、まるでちょっとした公園のようだ。
眼下にはラフォーレ原宿と表参道の交差点が。こんな角度でこの交差点を見ることなんて初めてだ。もうあの頃は遠い昔で、望むべくもなかったはずの光景。
入り口で三陽堂さんのおなじみの顔がお出迎えをしてくれた。にこにことされててとてもうれしい、こっちもうれしくなる。
きっとお互い、自分のことのように晴れがましい気分だったのじゃないかなあ。
プレス枠、ではなく「ちょこっとプレス枠」なんてのがあればまさに私がそれで。とはいえまがりなりにもヤッコさん公認!
早めに入ってカメラやバッテリー、レンズ類の準備をして(コンパクトデジカメとiPhoneだけどね(笑))スタンドバイ。奥の方で2人組の男女がリハをやっていた。あれっえーっと、どこかで聞いたことがある声、なんだけどなあ。歌っているのはスタンダード。えーと、誰だったっけ、、、
18時。時間になると会場はたちまちいっぱいに。すごい熱気、でもすごくみなさん楽しげで。わたしもも少し燃料を補給。おいしそうなパーティーフードとスパークリング。うれしいな。
スターバックスでアルコールとはちょっと楽しいね。
しかしパーティーってのは、どうしてこう、サバイブだったりタフだったりするのかな。
やっぱりおっかない人ばかりがいるオーラがあるな。名前は知らない、顔も知らない。でも、「あれっ?」とおもうひとばかり。明らかにそういうオーラがある人ばかり。
うーん、が、ひっこんでいられない。前へ出ろ、写真とれ、ヤッコさんの顔見ろ!そう頭の中で誰かが電波を送ってくる。
こういうときはその謎の電波に乗っかっちゃうのがわかりやすい、楽になる。そいつのせいにしちまおう。
こんなに混雑している会場でも、小柄なヤッコさんはとてもよく目立つ。
みんなが彼女を追いかけて、、、は意外や、ない。
みんなが彼女を追いかけて、、、は意外や、ない。
違うのだ。ヤッコさんの動きのほうが速いのだ。誰かが追っかけるよりも先に彼女の方からその追っかけてくる人たちに声をかけ、腕を絡め、顔を近づけ、おしゃべりに興じてる。なんて素敵な人だろうねえ。魅力たっぷりの人柄。誰もがついてっちゃう熱気。きっと10年前も20年前もその前も、かわってないんだろうね、よくわかる。
あ、ライブが始まるみたいだ。
臆せず人並みをかき分けて前に出ると、、、
坂本美雨さん。
うわ~、そうだった。さっきの声はたしかにそうだよ。
リハーサル、スタンダードナンバーを歌ってたから気がつかなかった。
うっかり人波をかき分けて前に出たら、真っ正面、3メートル。その距離で、いつもよく聞く彼女の歌声がまっすぐやってくる。うーん。
彼女がまっすぐこちらを見つめて歌を歌う。これは大変だ。こんなことされたら普段の5倍くらいファンになるよ。なるなるこれじゃあなるって。
2曲聞いたところでヤッコさんがやってきて、そでで花束を手に彼女の歌を楽しんでいる。すると、彼女の歌の方向がヤッコさんに向かうのがわかる。その感じがまた楽しい。歌ってのは、そういうものだよね。
少し魔法から抜け出せて、ほっとする。どっかに持ってかれちゃう前に正気に戻れた。
さいごにエルビスプレスリーの「好きにならずにいられない」を歌ってくれたのにはぐっと来た。うん、なんかわかる、この選曲。
お父様のレオンでのエピソードなんかも語ってくれて、会場が沸いている。感慨深いなあ、いろいろと。
野宮真紀さん。
相変わらず、カッコいいまんまで、どきどきする。ポータブルロックとか、ピチカートファイブとかのポップな音をこれでもかと詰め込んでいた頃を過ごしてきてるのだもの。どうしよう。どうしようもないが(笑)
近くて困る。何度もすぐ横を横切ったりすれ違ったりして困る。明らかに目が合ったりして、また困る。うーん、困ったなあ。
パーティーの熱気は最高潮に。みんなが興奮して、楽しそうにおしゃべりをしている。
こういうパーティーではよく感じるのだが、ある程度の規模人数になるとそのパーティーの根幹が少しずれてきたりすることがある。パーティーの趣旨とは別なところで会話がなされたり、ビジネスになったり。ここはそういう空気がなくて不思議だなあ。まるでお誕生会のよう。みんなの気持ちがちゃんとヤッコさんに向いている感じがする。
いろいろな、この店に関わった人たちや出版に関わった人たちにマイクがまわり、おもしろい話が聞こえてくる。
感じてしまう。この人たちもヤッコさんにやられたな、と。その情熱にほだされて、巻き込まれて、一肌脱いでしまう。
わかる、わかる。よくわかる。
スターバックスコーヒーの方々の話もおもしろかった。企画設計などを行った担当の方のお話。「地域に根ざす」「元あったものを大事にする」「土地の歴史を意識する」うん、すごく大事なこと。
今回ヤッコさんはこの店「スターバックスコーヒー東急プラザ表参道原宿店」には内装デザインの企画で参加されている。というか、フィーチャーされてるんだね、このお店に。彼女の写真自体がこのお店に組み込まれ、飾られている。「高橋靖子さん」の写真でもあるけれど「表参道のヤッコさん」の写真であり、それは素晴らしい時代の表参道のスナップ写真でもある。
あれっ、ふと気がついた。はじめに思っていた新しい場所に対する「うんざり」はどこかに消えてしまっていた。
なんだろう、この感じ?
うん、そうか、ヤッコさんか。やっぱりそうか。
彼女が元いた場所に戻ってきてくれて、そこに彼女の思いを少しつぎ込んでくれた。
なんていうのかな、それ。
「禊ぎ」(みそぎ)
という言葉を思い出してしまったのだ。
歴史あるものや魂あるものが朽ち、新しいものに入れ替わる。これは世の常。
だけど、そういうものには必ず強いひとの念が残るものだ。それを軽んじてはいけないな、と思うのだ。それを大事にして次の世代に引き継ぐような、禊ぎが必要だったのだ、あの素晴らしい場所には。
一時、吹きさらしの駐車場にまで成り果ててしまった、かわいそうな隠田の地は(旧地名をおんでん、という)今日をもってまた、きちんと価値ある場所に戻った。
お風呂屋さんもお肉屋さんも八百屋さんも喫茶店もあった、小さな商店街のあった隠田は、いまはない(信じないだろうが、あったんだよ。このビルの向かい側の裏手に)けれど、見てくれではなく、何がある、何がないではなく、ビル全部であるとかないとかではなく、あの頃、文化や価値を作ってきた場所に想いある人が帰ってきた、そして何かを刻み付けた。
お風呂屋さんもお肉屋さんも八百屋さんも喫茶店もあった、小さな商店街のあった隠田は、いまはない(信じないだろうが、あったんだよ。このビルの向かい側の裏手に)けれど、見てくれではなく、何がある、何がないではなく、ビル全部であるとかないとかではなく、あの頃、文化や価値を作ってきた場所に想いある人が帰ってきた、そして何かを刻み付けた。
それだけで、心が穏やかになる何かがある。そう思った。
「スターバックスコーヒー東急プラザ表参道原宿店」
は、グランドオープン前日に、特別の店になってしまったみたいだ。
この記事をヤッコさんと山陽堂さん、スターバックスコーヒー東急プラザ表参道原宿店の緑のエプロンの皆さんと今回この催しに関わった皆様に差し上げたく思います。
>
前回の記事:山陽堂書店『表参道のヤッコさん』展。本当に表参道でヤッコさんに会った。
http://hapi3s.blogspot.jp/2012/03/blog-post_27.html
Yacco×STARBUCKS from augment5 Inc. on Vimeo.
2012年4月7日土曜日
あした、阿佐ヶ谷の阿佐ヶ谷ロフトAで会いましょう。印度百景、見てください。
いよいよ来週。4月8日、13時より。印度百景vol.8。
わたしのカレーサイドの肝いりイベント。3ヶ月1回のお楽しみ。インドの食と旅にまつわるトークイベント「印度百景」あいもかわらず満員御礼の大盛況。そして、もう一人のゲストが決定です。実は当日チケットあるんです!!
「 印度百景 Vol.8 ~ カレーと旅で語るインド ~ 」
~ 東京スパイス番長が覗いたインド ~
~ 林 紗代香が覗いたインド ~
~ マサラワーラーライブクッキング ~
インドにゆかりのあるゲストとともに彼らの旅の写真を大きなスクリーンで見ながら、みんなでインドカレーを食べつつゲストのインドでの思い出を聞きましょう。
ということで今回の二組のゲストが出そろいました。今回もそうそうたるゲストの方々がインドを語ってくれます。
林紗代香さん。旅行好きなら知らないはずない良質な記事と美しい写真でおなじみのあの雑誌、「TRANSIT」の副編集長。そして現在、女性の視点から旅を切り取る雑誌「BIRD」の創刊を編集長として手がけています。創刊を控えた「BIRD」の特集は「インド」その取材体験や写真をたくさん持って来ていただくことになりました。女性視点のインド、は「印度百景」ではこだわりどころのひとつでもあります。お話がいまから大変に楽しみ!女性の皆さんには特に来場をオススメしたい。
3年連続で渡印、現地食材を使ってのスパイス料理研究を続けています。今回も春先に行ってきたばかりの写真と話題を抱えて登場!毎回テーマを決めてのスパイス研究旅行、さて今回のテーマは、、、
そしてマサラワーラーからもスペシャルな報告が!これも絶対聞き逃せない。
2012年4月8日(日曜日) OPEN 12:00 START 13:00 (約3時間を予定)
【開催場所】
阿佐ヶ谷 ロフトプラスA http://www.loft-prj.co.jp/lofta/
【出 演】
水野仁輔(東京カリ~番長)
はぴい(カレーライター)
登録:
投稿 (Atom)