これは面白い本だった。
小説家、エッセイストの内藤みかさん( @micanaitoh )の本。
「夢をかなえるiPhone」
このほんの前にもう一冊、「夢をかなえるツイッター」という本も出してらっしゃるんですが。
これがね、よいのだな。
iPhoneやツイッターの初心者の人で、その導入、使用を迷っているひとに、まずこれを薦めたいなという本でした。
どちらも同じスタンスなのですが、ツイッター、そしてiPhone。
その機能紹介やテクニカルなことについてはほぼ触れていないのです。
写真だって一枚も使っていません。
かわいらしくデザインされていますが、文字オンリー。
さすが、小説家のアプローチです。
で、どういう本なの、というと。
なんというのかな、スタイルブック、とでもいいましょうか。
「iPhoneというものを使うと、どういう風に幸せになれるのか」
というのがメインテーマ。
これはね、素晴らしい切り口だと思う。
使い方、マニュアル、アプリ紹介じゃあさ、しょうがないんだよ。
そんなものはいくらでも他に本が出ているし、そういうことじゃなくて、という人、たくさんいるんですよ。
「そういうことじゃなくて、わたしはなににそのiPhoneというものを役立てることができるの?」
「わたしがiPhoneを持つと、どうなるの?」
これはね、なかなかでてこない。
少なくともIT業界、テクニカルライターさんたちからは出ない発想です。
たかが携帯電話ひとつに厚さ4センチものマニュアルをなんの疑問もなしにくっつけて売って来た、日本のメーカーと、真逆を向いていますね。
市井のいろいろな人にインタビューをして、普通の人たちがiPhoneをどうやって使っているのか。
iPhoneを使ったら人生がどう変わったのか、というところにフォーカスをして書いてある。
これは、とてもおもしろい。
マニュアル本を読んでもあまり共感ってないと思うんですが、これにはときめきや共感がある。
なるほど!
「ニュースでみたり、人からすすめられるのだけど、iPhone、むずかしいんでしょう?」
そういう人にまずこれを読んでみれば、と勧めたいですね。
なにが出来る?と聴かれた時、地図が使えて便利だよ、といわないで、道に迷った時にね、と、まずその使用シーンから入る。
そして、具体的に図やアプリ写真を出さない。
これは、いいなあ。
使用シーン、自分の実体験を重ねられるものを見せ、何も知らない人にとっては恐怖そのものの、操作シーンは見せない。
これはうまいです。
自分がどうにかしたい事態の時にこれがあれば解決できる。
そういう思いが先にくれば、苦手な操作や機能を勉強することも苦ではなくなる。
この順番は、大事ですね。
とてもいい本です。
何より、読み物としておもしろく、一気に読めてしまうのもいい。
おすすめです。
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