なんというか、写真のおもしろさを改めて思い出す、良書です。
写真家、三井公一さん( @sasurau )の写真集。
ただの写真集ではないのです。
iPhone というカメラ。
ただそれだけを機材として使った、iPhoneで撮った写真の、写真集。
これが本になった。すごいことです。
代表のジェット☆ダイスケを筆頭とした、わたしたちが主催をしたイベント、
「iPhone 3分映画祭ver.1.5『iPhoneというカメラの文化史』」
にも出演をいただいた三井公一さん。
プロフェッショナルカメラマンであり、国内、海外をとわず活躍されている方です。
そんなプロカメラマンが選んだ、デジタル一眼レフカメラ以外のもうひとつの機材。カメラが、iPhone。
iPhoneは大変おもしろいカメラです。
単焦点レンズを持つ、モニター=ファインダーが大きくて構図をとりやすい、基本性能がしっかりしたシンプルなカメラです。
そう、携帯電話であり、地球上のすべてのスマートフォンを牽引するポジションのハンドヘルドデバイス。
ではありますが、カメラとしての基本性能が高い。
機器的性能、ではありませんよ。
基本性能、チューニングセンスが非常に高いのです。
携帯電話と比べるとわかります。
画素数話はもうすでに過去のものなのはご存知でしょう。
iPhoneの画素数は500万画素。
国内高級携帯電話では1000万画素を越えるものも少なくない。
でも、きちんと情感を伝えたり、人にその場で見せたりする時に、iPhoneを支持する声は大きいですね。
若い人たちで初めてのカメラが携帯電話、という人も少なくない昨今ですが、その初めてのカメラ、もしくは日常使いのカメラがiPhoneである、という人たちは、しあわせです。
なぜなら、写真が上手になる可能性が高いから。
大きな画面はファインダー。
大きくて明るく、見やすいから、カッコいい構図を求めれば、がんばりようがある。よく確かめられる。
シンプルな機能、フォーカス=ホワイトバランスとシャッターのみの機能。
寄りたければズームなぞせず自分で歩いて被写体に寄る。
工夫を求められるカメラです。で、工夫がちゃんと結果になる。
それがたぶん、その人の血肉になっていくはずです。
外付けレンズ、アプリケーション、なんでもあります。
そういうものを使って、大変にハイエンド、ハイアマチュア寄りになってしまった一部カメラの世界を未直にしてくれて、腕あるカメラマンを生み出す可能性を、このiPhoneというカメラは秘めているのではないか、そう思うのです。
そういう人が基本の力を身につけて、そののち一眼レフを持った時に、どんなカメラマンが生まれてくるのかがとても楽しみです。
その道しるべになるのがこの本、「iPhonegrapher」という写真集なのじゃないかな、そう思います。
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